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ポルトガル語情報

ポルトガル語(Português Pt. [puɾtuˈgeʃ] Br. [poɾtuˈges]) は、主にポルトガルおよびブラジルで使われている言語である。ラテン語から発展して形成された言語で、同様の歴史をもつスペイン語やフランス語、イタリア語やルーマニア語などとともにインド・ヨーロッパ語族イタリック語派に属する。
16世紀半ば、日本人が最初に接したヨーロッパ言語である(日本とポルトガル語を参照)。

■ポルトガル語話者分布
ポルトガル語を母語とする人口は、約2億人である。1億8000万人以上の人口を擁するブラジルの公用語となっていることが大きい。ポルトガルおよびその旧植民地に分布し、世界で7番目または8番目に大きな話者人口を有する。複数の大陸にまたがって話される数少ない言語の一つでもある。現在ポルトガル語を公用語としているのは、以下の諸国と地域である。

  • 欧州:ポルトガル
  • 南米:ブラジル
  • アフリカ:アンゴラ、カーボベルデ、ギニアビサウ、サントメ・プリンシペ、モザンビーク
  • アジア:東ティモール、マカオ

マカオを除く8カ国はポルトガル語諸国共同体を結成している。 ほかにカリブ海の諸島など、ポルトガル語と現地の諸言語が接触し形成されたクレオール諸語 (Crioulos) が、ポルトガル語と並んで話される地域もある。このほか、欧州連合の公用語としても扱われている。

ポルトガル語と最も近い主要言語は隣国のスペイン語である。ポルトガルは1385年にカスティーリャ王国から独立した国家であり、現在のポルトガル語の祖先はポルトガル北部に隣接するスペイン北西部のガリシア地方の言語である。現在でもガリシア語は残っており、ポルトガル語との差異は小さい。

■ポルトガル語の方言
ポルトガル語の方言としては大きく下記の3つに分類される。

  • 大陸ポルトガル語
  • アフリカポルトガル語
  • ブラジルポルトガル語

■語彙
参考として、食べ物を表すポルトガル語とラテン語の単語を示す。順にポルトガル語、ラテン語、日本語である。

  • agua aqua 水
  • limao citreum レモン
  • manteiga butyrum バター
  • pao panis パン
  • queijo caseus チーズ
  • sal sal 塩
  • vinho vinum ワイン

ポルトガル語もスペイン語と同様にアラビア語からの借用語は多いが、それらの及ぼした影響はスペイン語に比べはるかに小さい。レコンキスタが早期に完了したポルトガルではイスラム教徒の強制改宗や追放などもスペインより早く行われ、それに伴いアラビア語系の借用語も追放されていった。
現在でもポルトガル人がスペイン人をさして「あいつ等スペイン人はモーロ人との混血だ」と優越感に浸ることがあるという(同様の感情は、アンダルシア、ムルシア人に対するスペインの他の地域の住民の反応に見られる)。

日本とポルトガル語
543年(年代については諸説あり)、「鉄砲伝来」として記憶される種子島へのポルトガル人漂着という出来事が発生、ポルトガル人・ポルトガル語は、日本人が直接接した初のヨーロッパ人・ヨーロッパ言語となった。

以後、イエズス会によるキリシタン布教とマラッカ・マカオを相手とする南蛮貿易(主に近畿~九州地方)においてポルトガル人が主要な役割を果たしたので、この時代に日本にはいった文物とともにポルトガル語起源の語彙が日本語に定着した。以下がその例である。

  • キリシタン関係:キリシタン、デウス(※ラテン語も同形)、バテレン、イルマン、クルス、日本人キリシタン名(小西行長の洗礼名アゴスティニョ、内藤如安、細川ガラシャ等)
  • 衣服関係:合羽、襦袢、ボタン
  • 食品・嗜好品:タバコ、パン、バッテラ、金平糖、ボーブラ(一部地域の方言で「カボチャ」)
  • その他:カルタ、トタン、ビードロ、バンコ(一部地域の方言で「縁台」)

※16世紀末から、マニラ貿易およびフランシスコ会・ドミニコ会等の布教活動を通じてスペイン人・スペイン語との接触も密になり、かつこの両言語間では同源・同形の単語も多いので、いずれの起源か判別しがたい、または両者が混在している可能性が高い例もある。

欧州の言語に対して日本国内で編纂された最初の辞書は『日葡辞書』(にっぽじしょ)と呼ばれている。1603年に完成しており、ポルトガル語を通じて当時の日本語の発音を知ることもできる。日本語ポルトガル語辞書は日葡辞典と呼ばれることが多い。

1639年にポルトガル人追放令が出され、相前後して完成した鎖国体制において、日本人が接する主要なヨーロッパ人・ヨーロッパ言語はオランダ人・オランダ語に取って代わられた。明治以降も、日本人にとって重要なヨーロッパ言語は、近代化のモデルとした国々の言語(英語、フランス語、ドイツ語等)であり、近・現代の日本においてポルトガル語が占める位置は、クラシック音楽用語に影響を与えたイタリア語や、文学や社会思想・運動方面に影響を残したロシア語に比べても、相対的に低いものであったといわざるを得ない。
まとまった数の日本人がポルトガル語と深く接する機会は、むしろ日本の外、ブラジルへの移民を通じてであったといえる。第二次世界大戦後も基本的に状況は変わらず、ポルトガル語起源の外来語も音楽関係(サンバ、ボサノバ、ファド等)他少数にとどまった。

日本および日本人とポルトガル語の関係をめぐる状況が大きく変化するのは1980年代以降である。この時期から日系ブラジル人の「出稼ぎ」を機にブラジル国籍の人口が増加し(とくに1990年の出入国管理法改正がこの傾向を促進した)、2004年現在ブラジル国籍の外国人登録者数は286,557人に達している(法務省入国管理局統計による)。この数字を機械的にあてはめれば、現在の日本社会には、バイリンガルも含めたポルトガル語の使用者が30万人近く存在していることになり、先に述べた「南蛮・キリシタンの時代」以来の、ポルトガル語との濃密な接触の状況が発生しているといえる。
これが日本社会の「多言語・多文化」状況や日本語そのものにどのような影響を与えるかはいまだ未知数であるが、今後の推移が注目される(ブラジル系住民を多く抱える関東地方及び東海・中京地方のいくつかの地方自治体では、既にポルトガル語は住民サービスに不可欠の言語のひとつとなっている)。

その他、Jリーグの発足等を機にサッカーが日本の国民的スポーツとして定着するにともない、強豪国ブラジルのサッカーにまつわる単語(ミサンガ等)が取り入れられ、またチーム名がポルトガル語をもとにして命名される例があらわれた(東京ヴェルディ1969やジュビロ磐田等)。また、1992年に放送されたNHKの大河ドラマ「信長 KING OF ZIPANGU」では、宣教師ルイス・フロイスに扮したナレーターが、毎回のナレーションの締めくくりにポルトガル語で挨拶を行い、話題になった。

スペイン語との比較
ポルトガル語はスペイン語に非常に似ている言語とされている。 発音が似ていたり、つづりが似ていたり、単語や語彙の意味が同じなど至るところにその現象が見られる。

どちらの話者も母語で両者と会話した場合、殆どの内容を掴む事が出来るとされているが、それは教育水準や環境により理解出来る話者と出来ない話者もいる。
特に南米のスペイン語圏とブラジル間ではバラつきが多い。ヨーロッパではスペイン、ポルトガルとも比較的出来る話者の割合が多い。また、南米ではポルトガル語圏の話者の方がスペイン語を理解しやすく、スペイン語圏の話者はポルトガル語を理解し辛いといった説もあるなど、詳細は不明。

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